これはクリスマスイブイブのことです。
我が家ではクリスマスケーキを町内にあるケーキ屋さんで購入しています。毎年11月中に予約をして、その際に受け取り日時を伝えて、予約の日時(今年は23日の11時)になったらケーキ屋さんまで取りに行く・・・という感じです。しかし、このケーキ屋さんには少し問題があって、町内では有名なお店なので、クリスマスになるとお客さんが殺到してしまい、店の外まで行列が出来る始末・・・更に駐車場も早々に満杯になるので車を止めることすら難しくなるのです。田舎なので近くに有料の駐車場なんてないし、路上駐車をすると、交通整理のオジサン達に注意される始末なのです。そんな訳で、駐車場の心配と店外での待ち時間の寒さを覚悟しつつ、予約したクリスマスケーキを受け取る・・・ということを毎年繰り返していました。
さて、今年のケーキの受け取りですが・・・
過去の経験を踏まえて、予定時間よりも20分くらい早くお店に行きました。お店に到着するまで知らなかったのですが、この日の開店時間は11時だったので、私が着いたときは開店前ということで、無事に駐車場に車を置いて、店の入口から伸び始めていた行列の最後尾に並びました。この日は風が強く、時々雪が降るような寒い日でしたが、毎年のことなので「まぁ~こんな感じだよねぇ」と思いながら、開店まで待っていました。
そして開店時間になり、私はお店のレジカウンターで予約票を店員さんに渡して、ケーキを待っていました。そのときにレジの店員さんが私に話しかけてきたのです。
「どれくらい待たれましたか?」
「15分から20分くらい待ったと思いますが・・・」
「寒い中お待たせして、大変に申し訳ございません」
「私は大丈夫でしたが、開店前には駐車場が満杯で車を停められない方もいたみたいです」
「ご不便をお掛けして大変申し訳ございません」
そんな会話のあと、予約していたケーキを受け取って無事に帰宅したのですが、私の心の中で、この時の会話に関して反省と申し訳ない気持ちでいっぱいになったのです。
「全然優しくない・・・」
私は間違ったことは言っていないので、一見すると何も問題ないようにも思えます。しかし、このケーキ屋さんのクリスマスの状況は毎年同じなので、店員さん達も知っているはずなのです。そんな人に対して「正しい情報」なんて不要なんですよね。ここで必要な言葉は嘘でもいいから・・・
「全然大丈夫ですよ、そんなに待っていませんから」
・・・といった言葉だったり・・・
「毎年こちらのケーキを美味しく食べさせて貰っていますから」
・・・といった感謝の言葉だったり・・・
「お店の皆さんも大変ですよね」
・・・というような気遣いの言葉が正解だったなぁ・・・と思うのです。
クリスマスケーキは母と一緒に美味しく食べましたが、心の奥底にちょっぴり残念な気持ちが残ったクリスマスになりました。