ねこまんま

日常のなかで感じたことや思ったことを書いています。現在はnoteにお引越ししています。

好きな言葉か言い訳か?

「どこに行くかじゃなくて、誰と行くかなんだよ」

これは「燃え殻」さんの小説「ボクたちはみんな大人になれなかった」に出てくるセリフですが、私はこの言葉が大好きなんです。自分の価値観を簡潔に表現してくれているように感じるからです。

例えば食事をするにしても、夜景の見える高級レストランで、高価なお酒を飲みながら食事をするのも悪くないと思います。しかし、お金持ちでもない庶民派の私には正直合わなくて、チェーンの居酒屋さんとかファミレスのほうが気楽に食事が出来るから好きなんですよね。

それは普段の食事でも同じです。夕食も比較的安価なものを楽しんでいます。例えば毎週火曜日は「カレーライスの日」と決まっていて、1つ90円前後のレトルトカレーに3個で110円のコロッケを1つトッピングします。そんなカレーライスとサラダ(自宅で作ったもの)を食べながら、焼酎(いいちこ)の炭酸割りを飲んで、食後は近所のスーパーで1つ90円くらいで安売りしているチップスターを食べながら、更にお酒を楽しむような感じです。決して贅沢とは言えませんが、こんな食事でも、好きなテレビやyoutubeを見ながら、母と一緒に楽しんでいます。

以前にNHKの「ドキュメント72時間」という番組で、各地の「レトロなうどん自販機」を利用する人達にインタビューするっていう企画がありました。かなり古いドライブインにある、こちらも負けず劣らずの古い自販機で買うのは、一杯300円くらいのうどんやそば、ラーメンなど・・・。それを楽しみに来るのは、仕事の途中で食事をする人、遠くから来るマニアさん、地元の友達や恋人たち、あるいは家族そろって夜食のために来る人がいたり・・・。みんなが自販機で買ったものを笑顔で食べる姿を見て、私は胸がキュンキュンしたり、目頭が熱くなったりしていました。「身近にある素朴で小さな幸せ」みたいなものが、とても素敵に感じます。

その反面、テレビやSNSで高級食材を使った料理を見れば「美味しそう」「いいなぁ」と思ったりする自分がいることも事実ですし、料理はするけど決して得意ではありません。また、若いころの話しですが、当時勤務していた会社の上司と食事に行った際に「お前は馬鹿舌だから、何でも『美味い』って言うよなぁ」と揶揄されたこともありました。そんなことを思うと、最初に紹介した小説のセリフは「好きな言葉」というより「自分にないものや出来ないことに対する言い訳」なのかも知れません。

しかし、母の介護で外食が出来なくなった私が行きたくなるのはチェーン店の「ガスト」や「日高屋」だったりするし、最近では「馬鹿舌で何でも美味しく感じられるから、食事にお金を掛からなくてコスパが良い」って思うようになっているので「『自分の価値観に合う好きな言葉』というのは間違っていないよね」って思うようにしています。